の続き。"今の耐震基準は複数回に耐えることは想定されていないので、震度7対応とされた建物も震度7を複数回受けると倒壊する恐れがあるため、今後耐震基準の見直しが必要になるかもしれない"みたいなことをラジオか何かで言ってたような
、と書いた件に別ソースが。
熊本地震で倒壊した住宅やブロック塀。前震で持ちこたえたが、2日後の本震で全壊したケースが目立った=4月26日、熊本県益城町
◎想定外に備える(1)2回の震度7
熊本県を中心に襲った熊本地震発生から1カ月となった。4月14日の前震と2日後の本震は、ともに震度7の激しい直下型の揺れが人命を奪い、家屋を倒壊させた。熊本県内の避難者は一時、18万人に上り、今も多くの人が避難生活を送る。大地震が少なかった熊本県にとっては想定外の天災。防災や災害対応に東日本大震災の教訓は生かされたか。東北の備えに死角はないか。検証する。(震災取材班)
<木造の被害大>
軽自動車での生活が、もう1カ月になる。狭い車内での寝泊まりは80歳の身にこたえる。「住み慣れた家に住めなくなるとは思いもしなかった」
熊本県益城(ましき)町の無職斉藤誓(ちかう)さんは、自宅が町の応急危険度判定で「要注意」と判断された。形はとどめたが、周囲の家は倒壊した。「余震が怖い」。同町の展示施設グランメッセ熊本で車中泊を続ける。
「東日本大震災は人ごとだった。遠く離れた熊本で大地震が起こるとは」。益城町は史上初めて2回の震度7に襲われた。「想定外」が被災者の気持ちをいっそう重くさせる。
益城町内の住宅は半数に当たる約5400棟が損壊し、うち1000棟超が全壊。中でも建築基準法の耐震基準が強化された1981年以前に建てられた木造住宅の被害は甚大だった。
<役所も使えず>
現地を4月23、24両日に調査した東北大災害科学国際研究所の柴山明寛准教授(地震工学)は「阪神大震災で被害の大きかった神戸市東灘区は、全壊・大破した低層建築物の被災比率が35%。それを上回る可能性がある。特に倒壊率の高さが印象的だ」と指摘する。
災害復旧の司令塔となる役所など公共施設の被災も目立った。益城町は役場庁舎が被害を受け、災害対策本部を当初、手狭な町保健福祉センターに開設せざるを得なかった。一時約1000人以上が身を寄せた指定避難所の町総合体育館は、メインアリーナの天井が崩落、使用不能になった。
熊本市の南隣、宇土市役所は鉄筋コンクリート5階の4階部分がつぶれた。築51年。有識者検討委員会が2月、建て替えが妥当と答申したばかりだった。
行政が大地震を想定していても、住民の十分な備えに結び付かなかった。
<帰宅せず避難>
国は2013年、九州で今後30年以内に活断層による大地震が起きる確率を30~42%と推測した。熊本県は「非常に高い確率」と受け止め、県建築物耐震改修促進計画で「耐震対策は喫緊の課題」と位置付けた。
熊本県の住宅耐震化率(13年、推計値)は76%。全国の82%より低い。県建築課は「九州は地震が少なく危機意識が低かった。高齢者を中心に、多額な費用の耐震化に二の足を踏んだのではないか」と分析する。
熊本地震で関連死を除く死者は49人。前震で持ちこたえた住宅が本震で倒壊し、亡くなった人も相当数いたとみられる。一度は助かった命が犠牲になった。
住宅の耐震化でどこまで命を守れるのか。東北大災害研の五十子(いかご)幸樹教授(耐震工学)は「耐震基準は阪神大震災、東日本大震災クラスの震度7に1回だけ持ちこたえる設計だ」と指摘する。「2回耐える技術はあるだろうが、コスト面で現実的ではない。万が一、震度7を1回受けたら、自宅に戻らずに避難してほしい。耐震基準は余震で倒れないことまでは必ずしも保証しない」と言い切る。
2016年05月15日日曜日
耐震基準は阪神大震災、東日本大震災クラスの震度7に1回だけ持ちこたえる設計だ
、2回耐える技術はあるだろうが、コスト面で現実的ではない
とのことで。…某ゴム等の免振装置ってどうなんだろう。
次に…
の本震と余震。そして大人の事情。 - Togetterまとめの続き。松田式によると、M7.3地震の断層の長さは30キロだ。100キロを超えるいまの震源域を4月16日のM7.3地震の余震だと表現するのは苦しい。群発地震と呼んだほうがすっきりする。(ひとくちメモ)余震とは、大きな揺れのあとしばらく続く小さな揺れのことではない。本震でずれた地下の断層面で引き続いて起こる小さな地震だけをいう。余震の震源分布が本震で動いた断層面を描き出す。本震の断層面から震源がずれる地震は余震ではない。気象庁は、余震確率を発表しないと宣言した。この地震連発が本震-余震型では説明できないからだ。つまり4月16日の地震は本震ではないし、そのあと連発している地震は余震ではないと気象庁が認めたということだ。しかし、悲しいお役所のさがで、いったん認めた4月16日本震を撤回できない。
との指摘を気象庁の中の人が読んだのかはてさて。
気象庁は13日、熊本地震の「本震」(マグニチュード7・3)が発生した直後に、大分県でも別の地震(同5・7)が発生していたと発表した。
一連の地震では、本震後に大分県で地震活動が活発化しており、この地震が引き金となった可能性がある。
同庁によると、4月16日未明に熊本県内で本震が発生。大分県では最大震度6弱を記録した。同庁が地震計データを解析したところ、本震発生の32秒後に、本震の震源から約80キロ・メートル北東の同県中部で別の地震が起きていたことが分かった。
同県内で起きた一連の地震の中では最大規模だが、当時の揺れが、本震によるものか、新たに分かった地震によるものかは分からないという。防災科学技術研究所などもこれまで、同様の解析結果を発表していた。
2016年05月13日 20時22分
最後に地震関係の別案件。
毎日新聞2016年5月12日 15時00分(最終更新 5月12日 18時48分)
避難所の駐車場で車中泊する人たち。わずかな明かりの下で夕食を取っていた=熊本県益城町で2016年4月20日午後、野田武撮影
政府は、熊本地震で課題となった「車中泊避難」について、新たな指針などを策定する検討に入った。国の防災基本計画や避難所運営ガイドラインは車中泊対策に触れておらず、自治体の地域防災計画にも盛り込まれていないケースが多い。今後、地域防災計画などを修正する際の参考となるよう対策を講じる。
熊本地震は大きな余震が続き、「屋内が怖い」と車で寝泊まりする被災者が相次いだ。長時間の車内避難生活はエコノミークラス症候群の原因となり、死に至る場合もある。車中泊が原因とみられる震災関連死は2004年の新潟県中越地震などで注目され、熊本地震でも犠牲者が出て問題化した。
これまで政府は「まずは避難所の整備が重要。車中泊での避難は好ましいとは言えず、計画などに盛り込むと車中泊が肯定される可能性がある」(内閣府の防災担当者)として、二の足を踏んできた。
だが、今後想定される災害でも車中泊避難が多発する可能性があり、政府は一定の対策が必要と判断した。具体的には、指定避難所の駐車可能台数をリスト化▽避難所以外で車中泊する被災者を把握できるよう大型駐車場の場所を事前に把握▽エコノミークラス症候群を防ぐ効果がある弾性ストッキングを備蓄▽車中泊の被災者に速やかに避難所に移ってもらうよう働きかける−−などの対策を検討している。
国の防災基本計画は「避難所に滞在できない被災者にも物資の配布や医療サービスの提供などに努める」と規定し、避難所運営ガイドラインも弾性ストッキングの配布を勧めているが、車中泊を前提とした対策はなかった。【石川貴教】
大半の自治体、対応未作成
毎日新聞の調査では、関西の府県庁所在地と政令市、中核市の計14市のうち、地域防災計画などに車中泊避難への対応策を明記しているのは大津、和歌山、豊中(大阪府)の3市にとどまった。
大津市は避難所運営マニュアルに「車中泊者への対応等」の項目を設け、車中泊をしている人に避難所への移動を勧めたり、エコノミークラス症候群の予防を周知したりするよう記している。室崎益輝(よしてる)・神戸大名誉教授(防災計画)は「プライバシーの確保や子育て、ペット同伴などを理由に車中泊を選ぶ人が少なくない。熊本地震の事例を検証し、事前に対策を取るべきだ」と指摘する。
一部の民間企業には対策に乗り出す動きもある。店舗に大型駐車場を抱える小売り大手「イオン」は、災害時に緊急避難場所のような支援拠点となる店舗を2020年度までに全国で100カ所に増やす計画だ。2月時点で大阪や和歌山など27カ所が整備され、自家発電施設を備える。
同社は熊本地震でも、安全が確認できた店の駐車場を被災者に提供した。担当者は「自治体とも協力し、車中泊への支援策を考えていきたい」と話す。【高瀬浩平】
23:30追記。↑を書いた直後ぐらいに地震警報で携帯やスマホがやかましくなりちょい揺れてびびtt